白浜三段壁で行なわれている自殺防止の活動は、自殺志願者を丸抱えし、共同生活を通し、社会へ復帰させていく活動です。そこにあるのは、社会の縮図ともいうべき人間模様です。私たちは540人を超える人たちと共同生活をしてきた経験から、人間形成には幼少期から思春期に親を含めどのような大人と出会い関わってきたかが大きな影響を与えると実感しています。関わったほとんどの人が、その時期に問題を抱えているのです。中学校の心の相談室に勤務している経験も踏まえ、分かち合えたらと思っています。 (藤藪 庸一)
講師の藤藪庸一先生が、NHK総合「プロフェッショナル仕事の流儀」に出演されました。
5月7日(月)(再放送5月10日(木)深夜)
NHK総合 プロフェッショナル 仕事の流儀
「人生を立て直し、希望を探-自殺防止・藤藪庸一」
〈NHKウェブページ〉
http://www.nhk.or.jp/professional/schedule/index.html
2012年6月16日 (土) 13:30~17:30
場 所:関西セミナーハウス
参加費:2,000 円、学生 500 円
締切日:6月 13日
<講師プロフィール>
藤藪 庸一(ふじやぶ よういち) 氏
白浜バプテストキリスト教会牧師、NPO白浜レスキューネットワーク代表
1972年生まれ。白浜町出身。妻、息子、娘の4人家族。その他、保護した自殺志願者たちと一緒に生活している。
東京基督教大学神学部神学科卒業後、白浜バプテストキリスト教会牧師就任。前任牧師が始めた「いのちの電話」の働きも同時に引き継ぐ。2005年4月、白浜レスキューネットワーク設立。その後、学童保育や託児、高学年向けの勉強会を始める。また、二人の子どもを里親として育てる。現在、東小谷町内会町内会会長、はまゆう病院倫理委員会委員、白浜社会福祉協議会理事、和歌山県自殺対策連絡協議会会員。
小学6年生の時に、テレビでカンボジアとエチオピアの難民キャンプの映像を見て、何かできないかと募金活動を始める。聖書の「金銀は私にはない。しかし私にあるものをあげよう。ナザレのイエス・キリストの名によって歩きなさい」という言葉に出会い、牧師になる決心をする。その後、ジョージ・ミューラー(イギリスで活躍した牧師で孤児院を建て上げた人物)に憧れ、牧師として教育や福祉に携われたらと願うようになる。
現在、教会を開放し、自殺を考え悩み苦しんでいる人や、助けを求めているけれど社会の中で助けを得られない人などを共同生活という形で受け入れ、問題の解決と自立を目指している。現在10名の滞在者と共同生活を行っている。この働きを通し様々な方々と接する中で、幼少時期、思春期の子ども時代の体験が大人として成熟していくために非常に大きな力になると感じ、「はじめ人間自然塾」や「宿題クラブ・コペルくん」などを通し、子どもたちへの働きかけを始めている。
また、6年生の時に見た難民キャンプを忘れることはできず、フィリピン、カンボジアの貧しい地域に家を建て井戸を掘る働きに参加している。
〈著書〉 『「自殺志願者」でも立ち直れる』(講談社)