高齢化社会が本格化する中で、高齢者が満足感をもって日々の生活を生き、尊厳をもって自らの生を締めくくるための制度や文化は、まだ十分に成熟しているとは言
えない。本フォーラムでは、高齢者本人のみならず、家族に対しても大きな精神的・倫理的課題を突きつけることになる認知症と、それにともなう胃ろうの設
置、尊厳死の問題を本格的にとりあげる。また、こうした終末期の課題をしっかりと受けとめるためにも、そこに至る長い老いの時期を、いかに積極的に生きる
ことができるかを、それを実践している先端的な現場において考えていきたい。
講師:大谷 いづみ
(立命館大学産業社会学部教授)