いのち
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2015年度修学院フォーラム「いのち」
第1回 なぜ、脳死・臓器移植は推進されるのか―いのち・倫理・人間の尊厳をめぐって


臓器移植や生殖医療などの先端医療との関連において、いのちを慈しむ医療とは何かを考えます。

 

講師:小松 美彦 
(武蔵野大学教養教育部会教授)
  脳死者から心臓や肝臓や腎臓などの臓器を切り出して重病者に移植する脳死・臓器移植は、日本では2010年の「改定臓器移植法」の施行以来、ほぼ1週間に1件のペースで行われるようになっています。1999年に「旧臓器移植法」のもとではじめて実施されたさいは新聞の号外まで出ましたが、近年ではほとんど報道されることすらありません。脳死・臓器移植は国策的に推進され、もはや通常の医療に近いものになったからでしょう。
 しかし、そうではあっても、脳死・臓器移植をめぐる核心的な問題は置き去りにされたままです。本当に脳死者は死んでいるのか、本当に重病者は臓器移植によって救命されているのか、そもそもなぜ脳死・臓器移植は"国策"として推進されるのか...、等々です。
 当日は、脳死・臓器移植の基礎を踏まえたうえで、いのち・倫理・人間の尊厳の根本にかかわるこの一大問題について、みなさんとさまざまな角度から考えてみたいと思います。
 
2015年5月16日 (土) 13:30~17:30
場 所:関西セミナーハウス(京都市左京区一乗寺竹ノ内町23)
参加費:2,300円 学生1,000円(コーヒー込)
締切日:5月13日
<講師プロフィール>
小松 美彦(こまつ よしひこ) 氏
武蔵野大学教養教育部会教授
1955年、東京都に生まれる。東京大学教養学部基礎科学科卒業。東京大学大学院理学系研究科・科学史科学基礎論専攻博士課程単位取得。玉川大学助教授、東京海洋大学大学院教授を経て、2013年より現職。現在の死生をめぐる問題を、歴史・倫理・科学などのさまざまな視座から考察してきた。 著書に、『死は共鳴する』(勁草書房)、『脳死・臓器移植の本当の話』(PHP新書)、『宗教と生命倫理』(共編著、ナカニシヤ出版)、『メタバイオエシックスの構築へ』(共編著、NTT出版)、『いのちの選択』(共編著、岩波ブックレット)、『生権力の歴史』(青土社)、『生を肯定する』(青土社)、『生命倫理の源流』(共編著、岩波書店)他。
  
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