社会
2018年度修学院フォーラム「社会」  
第1回 〈宗教と戦争を考える―5〉
新渡戸 稲造の平和

講師:佐藤 全弘 
(大阪市立大学名誉教授)
  新渡戸稲造と平和といえば、彼の性格上、どうしても「平和のためのはたらき」に 思いは集中してゆく。新渡戸稲造は哲学者ではなく、実地を貴ぶ農学者であった。具体的な民族が、具体的な土地で、具体的な作物(あるいは生物)を育てて日用にあてることにより、その民の生活向上を研究していた。それゆえ、平和についても、彼が 具体的にどのように平和(もちろん世界平和)を実践したか、平和の諸領域でどのように働いたか、そして、恐るべき武装に身を飾りながらその重圧から解放される意思すらもとうとしない人類は、これからどういう道筋をたどって平和に至ることができるのか、その難問に心を砕き、その解決を夢見ていた。彼がその平和実現を夢見てか ら80余年をへた今日、その夢は私たちに様々な示唆を与えることであろう。新渡戸稲造の71年の生涯をとおして、その信仰に裏付けられた平和実践をどう進めたか、具体的にたどってみたい。


◎予定スケジュール

          13301500     発題講演                  

                15001530     コーヒーブレーク 

            15:30~17:30   質疑とはなしあい

           

2018年4月21日 (土) 13:30~17:30
場 所:関西セミナーハウス
(京都市左京区一乗寺竹ノ内町23)
参加費:2,300円 学生1,000円(コーヒー込)
締切日:当日でもご参加いただけますが、できるだけご一報いただけますとありがたいです。
<講師プロフィール>
佐藤 全弘(さとう まさひろ) 氏
大阪市立大学名誉教授
1931年大阪市に生まれる。大阪市立大学博士課程哲学専攻で単位取得。定時制高校で9年教えたのち母校に戻り、西洋哲学・倫理学を講ずるとともに、学外の夜間講座で日本の文学者・キリスト信徒らの思想と信仰を53年講ずる(例えば漱石、鴎外、武者小路実篤、 内村鑑三、矢内原忠雄、新渡戸稲造、藤井武)。「新渡戸稲造全集」 (第2期・3期全23巻と別巻2巻)編集委員(教文館)。
著書 :『新渡戸稲造―生涯と思想』『藤井武研究』(キリスト 教図書出版社)、『新渡戸稲造の信仰と理想』、『新渡戸稲造の歩 んだ道』など新渡戸関係10冊(教文館等)。『カント歴史哲学の研究』(晃洋書房)など。 訳書:J.B.フィリップス『聖書翻訳者の栄光と挫折』(教文館)など。 
  
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