リモート開催〈ZOOM〉に変更します。
会場参加も可能です。
☆ 講師は、インターネットを通して講演し、話し合いに参加します。参加者は、次のいずれかの方法で参加できます。
[リモート参加]
パソコンかスマートフォンを利用して、任意の場所でネットを通して参加することができます。申し込みの際にメールアドレスをお知らせください。メールアドレスあてにZoomの招待状をお送りします。
[来館参加]
関西セミナーハウスの会場に集まり、大画面の映像とスピーカーを通して講演を聞き、話し合いに参加します。
講師:細川 弘明
(高木仁三郎市民科学基金 理事、京都精華大学 名誉教授)
フランク・レーヴェカンプ
(ドイツルートヴィヒスハーフェン経済大学教授、上智大学客員教授)
木村 護郎クリストフ
(上智大学外国語学部教授)
◎スケジュール◎ (変更しています)
14:00~14:10 開会のことば
14:10~15:40 発題1 細川 弘明さん
「原子力という災厄の根っこを考える」
15:50~17:00 質疑応答とはなしあい
【2日目】
10:00~11:00 発題2 フランク・レーヴェカンプさん
「エネルギー危機に対するドイツおよびヨーロッパの選択:その背景と帰結」
「日独の気候中立アプローチの比較から」
11:10~11:20 休 憩
11:20~12:00 質疑応答とはなしあい
「キリスト教界はエネルギー問題とどう向き合うか:日本とドイツを中心に」
「原発に関する環境特権とキリスト教倫理」
13:30~14:30 質疑応答~はなしあいとまとめ
「私たちに何ができるのか」
14:30 閉 会
発題1.「原子力という災厄の根っこを考える」
細川 弘明
フォーラム企画者よりご提案いただいた演題は「終わりなき原子力災害」でした。これは、2021年、東電福島原発事故10年目の節目にあわせて私と仲間が制作した映画『終わりのない原子力災害』(アジア太平洋資料センター www.parc-jp.org/video/ sakuhin/311.html)を踏まえて下さったものと思います。原発事故の被害は、防止対策の不備、緊急時対応の不手際、被災者対応の不適切さという三重の失策・無責任によって増幅されて続いています。被害の複合性と見えにくさについて、また、大事故が起きなくても原子力利用が必然的にもたらす一連の問題(労働被ばく、核のごみ、地方経済の衰退、気候危機対策の遅れ、汚職、核拡散など)の全貌を視野において、災厄の本質を見極めたいと思います。
発
発題2.「エネルギー危機に対するドイツおよびヨーロッパの選択:その背景と帰結」
フランク・レーヴェカンプ
ドイツは2022年末に予定されていた最後の3つの原発の停止を延期することをよぎなくされました。これを単にウクライナ戦争の影響とみなすことはできません。ドイツの脱原発は、隣国やヨーロッパ連合(EU)と協議することなく、単独で決定され、あまりにも野心的な目標をたてていたのです。ここから得られる教訓は、気候変動対策や脱原発のような重大な事項は国際的な協力や妥協が必要だということです。ドイツや日本はこれらの課題への対処に大きな役割を果たすことができますが、国境をこえた視野が必要になります。
発題3.「キリスト教界は、エネルギー問題とどう向き合うか:日本とドイツを中心に」
木村 護郎クリストフ
このエネルギーを考えるセミナーは今回で10回目となります。なぜ「クリスチャンアカデミー」がこの問題を継続的にとりあげるのでしょうか。キリスト教界が環境や エネルギーの問題に関わる意義や可能性、課題について改めて考えてみたいと思います。
<講師プロフィール>
細川 弘明(ほそかわ こうめい)氏
高木仁三郎市民科学基金 理事、京都精華大学 名誉教授
1955年、東京生まれ。京大文学部卒業後、青年海外協力隊の派遣で南米ボリビアの国立人類学研究所にて2年間、調査活動に従事。その後、京大人文科学研究所、オーストラリア国立大学太平洋地域研究所、東京外国語大学、佐賀大学農学部、国立民族学博物館客員部門などをへて、2001年から2022年まで京都精華大学で教えた。文化人類学、環境社会学。豪州先住民族の環境知識や土地権運動を研究。ウラン鉱山開発、環境エネルギー問題をめぐる調査にも従事。高木基金の特別事業であるシンクタンク「原子力市民委員会」の事務局長として『原発ゼロ社会への道』シリーズ(2014年版、2017年版、2022年版)の編集を担当した。
フランク・レーヴェカンプ(Frank Rövekamp)氏
ルートヴィッヒスハーフェン経済大学教授、同東アジア研究センター所長
1963年生まれ。1990年ケルン大学卒業後、自動車関連企業勤務。98年ケルン大学経済学博士を取得後、化学メーカー勤務を経て2009年から現職。2022~2023年上智大学客員教授として日本滞在中。専門は財政学、エネルギー政策、比較政治学。福島第一原発事故後の日本やドイツ、ヨーロッパの対応を研究。ドイツ語、英語での関連著作の他、菅直人『東電福島原発事故 総理大臣として考えたこと』(幻冬舎新書)のドイツ語訳者でもある。
木村 護郎クリストフ(きむら ごろうくりすとふ)氏
上智大学外国語学部ドイツ語学科教授、同大学院国際関係論専攻教員
1974年名古屋市生まれ。一橋大学大学院博士課程修了。博士(学術)。社会を形成・運営する基盤としての言語とエネルギーについて、主にドイツと日本に関して研究・教育・実践活動を行う。キリスト教界の環境問題との向き合い方が近年の重点テーマの一つ。関連の近著に、『脱原発の必然性とエネルギー転換の可能性―地震国日本の現実とドイツの先例から考える』(共著)新教出版社、2022年。