社会
2024年度修学院フォーラム「社会」<第5回>
<エネルギーを考える>
「避けられない原子力災害と捨てられない使用済み核燃料
 ~必要を満たして余りある太陽の光と風の力」
【対面開催】
講師:アイリーン 美緒子 スミス 
(環境NGOグリーン・アクション代表)
講師:牛山 泉 
(足利大学顧問、名誉教授)

「いのちを危うくする原子力発電」

       講師 アイリーン 美緒子 スミス

 日本は世界唯一、地震国でありながら原発が全国に行き渡る国です。14年前の東京電力福島第一原子力発電所事故の災害から私たちは何を学び、どのようにその教訓を活かせるのか?大事故が起これば、無数の避難元と避難先の市町の人々、医療と福祉施設の利用者が被害を受けます。福島の当時の子どもたちは今、受けた被害に対し先頭に立ち闘っています。原発の稼動が進むと核廃棄物問題はどうなるのか?事故が起これば被害を受ける人々にも廃棄物を残された次世代にも決定権はありません。原発の再稼働と新設を決定するのは政府、電力会社と立地自治体の首長だからです。なぜ温暖化対策には原発の利用はふさわしくないのか。原発に反対の市民は今どのような行動を取っているか。日本の専門家と司法は何をしているか。様々な情報と問題点を取り上げ、分析し、動かない日本の謎を読み解き、どのような解決への糸口があるかを一緒に検討しましょう。


「いのちを育む太陽の光と風の力」
       講師 牛山 泉

世界は温暖化から沸騰化に転じ、世界各地で気象災害が激化し、さらに各地で戦争が起こりエネルギーも食料も先の見通しが立たない状況です。

 初めから原発を導入しなかったデンマーク、2023年4月に原発を全部止めた工業国ドイツ、これらの国は、原発がなくても、風力発電や太陽光発電など再生可能エネルギーだけでやっていけることを実証しつつあります。デンマークでは風力発電で電力需要の54%を賄っており、酪農の国なのでバイオマスが15%になります。

 国際エネルギー機関によれば、日本の洋上風力発電のポテンシャルは国内の電力需要の9倍もあるといいます。これに、太陽光、陸上風力、バイオマス、小水力、地熱も加わり、日本は再生可能エネルギー王国なのです。「知るは力なり」です、後世に悔いを残す原発はなくても、日本はやっていけるのです。さあ、再エネ100%のモデル国実現を目指して前進してまいりましょう。

◎スケジュール◎    

【1日目】 330日(日)

16:0016:30 オリエンテーション

          参加者紹介

16:3018:00 発題講演1

     アイリーン美緒子スミスさん

18:0019:00  夕 食

19:0021:00  はなしあい 

2100~     自由懇

2日目】 331日(月)

7:30 8:00 静想の時

8:00~ 9:00 朝食・チェックアウト

9:0010:30 発題講演2

牛山 泉さん

10:3010:50 休憩

10:5012:10 はなしあい

12:1013:10 昼 食

13:1014:00 グループ別

はなしあい 

14:0014:20 休憩

14:2015:30 総合討論

15:30      閉 会

 


 

2025年3月30日 (日) 〜 3月31日(月) (日)16:00~(月)15:30
場 所:関西セミナーハウス
(京都市左京区一乗寺竹ノ内町23)
参加費: 16,000円、学生 5,000円(1泊3食込、京都市宿泊税200円込)〔個室の場合、差額1,000円〕
締切日:2025年3月25日
*できるだけ全日程ご参加ください。やむを得ない場合は、部分参加でも可能です。
*お申込みには、電子メールなどで受付のお知らせをお送りします。申込み後2~3日経っても返信が無い場合は、お問合せください。
*前日正午以後のキャンセル、変更には、キャンセル料金が発生します。
<講師プロフィール>
アイリーン 美緒子 スミス(あいりーん みおこ すみす) 氏
環境NGOグリーン・アクション代表
1950年生まれ。1968年スタンフォード大学入学、1970年同大学中退。
1971年ユージンと結婚、1971~1974年水俣病取材のため水俣に滞在。
1975年写真集「MINAMATA」英語版出版(ユージン・スミスと共著)。
1978年日本テレビドキュメンタリー「子供たちは七つの海を越えた~サンダース ホーム 母と子の記録」(芸術祭大賞受賞)制作参加。
1980年写真集「MINAMATA」日本語版「水俣」出版(W.ユージン・スミスと共著)。
1980年「かくれ切支丹」出版(遠藤周作と共著)。
1980年から中尾ハジメとスリーマイル島原発事故調査のため現地滞在。
1983年コロンビア大学公衆衛生学部・環境科学の修士号取得。
1980年代初頭から現在まで、原発問題に取り組み、今日に至る。原発の安全性・老朽化問題、核燃料政策、原発と温暖化問題等に関する市民活動。
2003~2011年国際環境団体グリーンピース・ジャパン理事長。
2020年大飯原発差し止め訴訟原告共同代表を勤める裁判に勝訴(大阪地裁)。
<講師プロフィール>
牛山 泉(うしやま いずみ) 氏
足利大学顧問、名誉教授
1942年長野県生まれ、1971年上智大学大学院理工学研究科博士課程修了、足利工業大学、講師、助教授を経て、85年より教授。2008年学長、2016年より2022年まで理事長。ガスタービンの研究で学位を取得するが、石油危機を契機に、風力エネルギーなど再エネ研究にシフト。日本風力エネルギー学会創設、風力発電開発導入の政府委員、新エネ財団の風力委員長などを務め、世界風力会議功労賞や文部科学大臣賞などを受賞。
  
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